学会発表と論文の執筆のコツ/おきて

 

  1. 研究成果を公表する義務

研究を行ったら、自分や自施設のみのためだけでなく、世の中のために成果を公表することが大事です。そして、基本的には学会発表だけで終わらせることなく、論文として世の中に成果を残さなくてはいけません。それが研究をすることの基本的な責務です。論文にすることを前提に学会発表しますので、基本的な構成や手順は、学会発表でも論文執筆でも同じであり、多くの場合は学会発表したものに肉付けしながら論文を執筆することになります。

 

  1. 学会発表・論文執筆の手順

・ストーリーの骨組みをつくる

まずは「目的」、「方法」、「結果」、「考察」を再確認して(ちなみに、「目的」「方法」「結果」は成果を発表しようとする前から出来上がっているはず)、それぞれについての話の進め方“ストーリー”の骨組みを作ります。まずは、紙やコンピューターの画面などに、それぞれの要点“ポイント”を箇条書きしたり、フローチャートの形で置いていくとストーリーの流れが明確になります。

・データや文献で肉付けする

つぎに研究で得られた所見“データ”を「結果」に示し、得られたデータに関して、文献で調べたことや考えたことを考察に書き込んでいきます。

・文章を完成させる(論文執筆では本文、学会発表ではポスターの説明文や口頭発表での話すことに相当)

ストーリーの骨組みに肉付けが出来たら、あとは発表用になめらかな文章に仕上げ、内容をわかりやすく伝えるための作業をします。

 

  1. 学会発表(ポスター発表・口頭発表)の特徴とポイント

論文を執筆する前に学会発表をするケースの方が多いと思います。まずは、ストーリーを適切に反映している魅力的なタイトルを付けましょう。タイトルは人を惹きつけるためにも重要です。ポスター発表と口頭発表があり、選べる場合と指定されている場合とがあります。ポスターは多くの学会参加者に見てもらえて、様々な意見を聞けることがメリットですが、示説時間でなくても内容がわかるようにレイアウトを工夫して、最低限の説明文が必要となります。一般に学会では多くのポスターが並びますので研究成果をアピールする効果は口頭発表より薄れてしまうことが多いかもしれません。

一方で、口頭発表は一般に研究成果のアピールしたい際には魅力的な発表形式です。通常、その分野に詳しい先生が座長となり、会場からの質問もその分野に詳しい先生からの場合が少なくなく、多くの聴講者の前でディスカッションをすることになります。発表内容は言葉で伝えて、その補助材料としてスライドを使用します。わかりやすいシンプルなスライドを作成するとともに、限られた時間でわかりやすいプレゼンテーションをすることが求められます。質疑応答でも質疑に対して適切にコンパクトに回答することが必要ですので、事前に職場での模擬発表会などをして十分に準備と対策をしておきましょう。

 

  1. おわりに

 医療現場の問題点を抽出して、その解決のために取り組み、その成果を社会や後世のために残すことは、医療従事者の責務でもあります。そのために、大学、病院、薬局などが協力して取り組んで成果を残し、医療の発展に貢献していくことが、今後の薬剤師に益々求められることになるでしょう。「薬剤師として医療の発展に貢献したい」その想いが一番大切です。

 

参考文献)

川村 孝 著、臨床研究の教科書 研究デザインとデータ処理のポイント、医学書院、2016

山浦 克典ら 著、超簡単!!論文作成ガイド~「研究」しよう~、薬事日報社、2016