とあるシンポジウムの趣旨と自分の発表要旨の案

とあるシンポジウムの趣旨と自分の発表要旨の案

相変わらず、過去の自分の執筆物を利用したもので進歩がない。。。

当日までにはもうちょっと考えよう。。。

 

拡大する薬剤師業務と医薬品情報業務の連携

- エビデンス創出のための医薬品情報 -

薬剤師は、今までも社会・医療環境の急速な変化に対応するために、ニーズを自らも創り、職能の範囲・役割を変化・拡大させることにより、困難な状況を乗り越えてきたと思います。しかし、目いっぱいの業務展開をしてきて、その投入資源が決して十分ではないことから、薬剤師にも膨大な仕事量が圧しかかっており、行うべきとされる薬剤業務を十分に展開できていない医療機関も少なくないのではないでしょうか。様々な要因が複雑に絡み合った問題かもしれませんが、さらに薬剤業務を発展させて、患者の薬物治療に貢献するための本質的な戦略は1つしかない気がします。それは、「(有能な)薬剤師」の存在が薬物治療の質の向上に必要不可欠であるとのエビデンスを創ることです。そのエビデンス創りこそが、「ニーズ創り」他なりません。少し古い話になってしまいますが、その「ニーズ創り」を後押ししてくれるものとして、平成22年4月30日に厚生労働省医政局通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」が発出されました。本通知では、各医療機関に対して、多種多様な医療スタッフが各々高い専門性を前提とし、目的と情報を共有し、業務を分担するとともに互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供する「チーム医療」を推進していくことを求めています。そして特に、薬剤師については、チーム医療において薬剤の専門家である薬剤師が主体的に薬物療法に参加することの有益性を指摘するとともに、薬剤師が取り組むべき業務例が挙げられています。すなわち、これから私たちが行うべきことは、膨大な医療情報の中でも、薬学的観点を持っている薬剤師だからこそ扱える医薬品情報を武器にして、主体的に薬物療法に関わり、その効果を証明することではないでしょうか。

 本シンポジウムでは、医薬品情報をキーワードに、病棟における薬剤業務、周術期・手術室における薬剤業務、医薬品情報室における業務、そして医療現場からの医薬品情報研究についての発表を通して、拡大する薬剤師業務と医薬品情報業務の連携について、皆様と一緒に考える場になればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 医療現場からの医薬品情報研究と情報発信

なぜ、医療現場から医薬品情報に関する研究と情報発信をする必要があるのかを考えてみたいと思います。医薬品情報に関する研究を医療現場で行うことの最大の理由は、現場視点を持っていることだと思います。現場視点で問題点を抽出して、現場視点でその問題解決の着地点を考え、それを社会に伝え、患者のために貢献すること、それに尽きると思っています。そのマインドが医療現場で研究をするモチベーションとなります。逆に言えば、それ以外の観点からは大学などと協力することも重要だと考えています。なぜなら、医療現場にいると問題点や解決へのアプローチに対して俯瞰的に視ることが難しくなる点が危惧されます。また、研究のノウハウを医療現場だけで向上させるのは難しい現状もあると思います。大事なのは手段ではなく、目的を達成することです(ただし、方法論は大事です)。

それでは、医薬品情報に関連した研究とは何でしょうか。私のなかでなんとなく思っているのが、点の医薬品情報を理論的に線で繋いで(関連づけて)、より価値のある新しい医薬品情報を創りだしたり、伝えたりすること、あるいはそれらの仕組みを創ることです。それが今の私にとっての医薬品情報に関する研究です。そして、当たり前ですが、価値のある医薬品情報とは最終的に患者のために回帰するものです。

これらの考えは最初からあったわけではありません。医療現場で研究を教わり、研究を続けてきたなかで、自分で感じとってきたものです。私が今まで研究を続けることが出来た理由は、指導者と協力者と環境に恵まれていたこと、そしてそれらに巡り合えた運があったからだと思っています。しかし、当初の私が研究することの主な目的は、研究も出来るかっこいい薬剤師になりたいとか、学位を取りたいという下心でした。そんな下心が強かったおかげで研究を続けられた側面も強いです。でも最近は変わってきています。社会や医療のために薬剤師としてもっと本質的に役に立たなければいけない、それがこれからの私の研究をする大きな目的、そして目標であり、課題です。現場の薬剤師として研究を始めて18年が過ぎました。医療現場における医薬品情報に関する研究の意味、それを探し続けること、伝えることにきっと大きな意味があると思っています。医療現場では関われば関わるほど、問題点が見えてくるはずです。医療現場の薬剤師は、その問題点を抽出して解決のために研究をしたり、情報発信をする使命があるのではないでしょうか。それが薬剤師だから創れるエビデンス、薬剤師が必要であるエビデンスに繋がると信じています。