薬物動態の講義のメモ(間違いがあれば是非ご教示下さい)

動態→実務ではテスト問題を解くのではなく、臨床で学問を役立てることに意味がある。

パラメータとか式の丸暗記ではなく、そのパラメータは何を意味するのか、なぜそのような式になるのか理解していることが大事。

 

Vd とは何?

単位は? 

最小値は?

最大値は?

体内で体液のあるところに均等に分布したら?

こういうことがわかっていてはじめて、添付文書とかIFに載っている値をみて、その絶対値を評価できる。

 

求め方は(1コンパートメントモデルに従う場合)

Vd=Dose/Cp をイメージで覚える (いろんな注射薬1gを静注しても、薬によってCp異なる)

 

1Lの水と1Lの油で水の相に薬物1gを投入して、水中濃度Cwで考えると

1gを投与して全く分布しなければVd==Dose/Cw=1g/1g/L=1Lで水の相のボリュームとなる(最小値は溶けている相のボリュームになる)

油に99%行けばCwは0.01g/LでVd=100L 。99.9%移行すればCw=0.001g/LでVd=1000L

均等に分布すれば、すべての相の和のボリュームと等しくなる。この例だとCw=0.5g/LでVd=2L もし油が2Lで水が1LならCw=0.3333g/LでVd=3Lとなる。

 

ヒトのCpで考えるためには体液量分布を知っている必要がある。

例えば僕は60kg男性なら体液約60%で36Lと覚えている。

体液は細胞内液と細胞外液に分類できる。2:1で内液の方が多いので、

内液24L 外液12L

外液は間質液と血漿に分類でき、3:1なので、間質液9L、血漿3L

なので、CpからVd求めているので、

最小値は血漿量で3L、細胞外液まで分布したら12L

体液に均等に分布したら36L程度と、どこかの組織に高濃度に蓄積した36Lを超えていく。

ちなみに、イトラコナゾールは飲んで爪にまで分布する。脂溶性も高い Vd=300L位

ジゴキシンも心筋に高濃度に分布。Vd=300Lくらい

アミノグリコシドとかβラクタムとかバンコマイシンとか15L位

造影剤は3L位(分布しないから血管造影できる)

 

CLとは

単位は?

なぜ流速 重さ/時間の速度では、濃度によって継時的に変化するが、血漿量換算にすれば基本的には一定となる(薬物固有の値となる、消失のされやすさ)

求め方は Dose/AUC (いろんな注射薬1gを静注しても、薬によってAUC異なる、それは消失されやすさCLが薬物によって異なるから)

(ちなみに、Vdの変動はAUCを変化させない)

 

CLのイメージ 

例1

水道(血流)100mL/min

取り付けた浄水器(臓器)固有の薬物A除去力1000mL/min

全体のCLは100mL/min

 

例2

水道(血流)1000mL/min

取り付けた浄水器(臓器)固有の薬物A除去力100mL/min

全体のCLは100mL/min

 

これをとあるモデルで示した肝クリアランスの式が

CLh=Q×fu・Clint,h / Q+fu・Clint,h

Q<<< fu・Clint,hならCLh= Q

Q>>> fu・Clint,hならCLh= fu・Clint,h

なので、肝クリアランスはQを超えない。Qは1500mL/min

 

なので、糸球体濾過クリアランスはGFRを超えない

ちなみにCLr=fu・GFR+CL分泌-CL再吸収

 

もし、未変化体尿中排泄率100% 蛋白結合0 分泌や再吸収過程がなく、糸球体濾過のみで排泄されればCLtotalはいくつ? =GFR=100mL/min

 

もし未変化体尿中排泄率100%で、dose/AUCでCLtotal=200mL/minの新薬なら、この薬物の大事な動態的特性は? 分泌による排泄が100mL.min以上の寄与(糸球体濾過より寄与が高い)

→分泌のトランスポーターは?DDIの試験のデータはあるか?ということを確認する必要がある

 

 

CL=ke×Vd

Ke=0.693/t1/2

半減期を決めているのはVdとCL →イメージ 肝臓も腎臓も血漿中にある薬物を除去しているので、組織に行けば(Vd大なら)効率悪い。血漿中での処理されやすさはCLなので、そのバランスで半減期が決まる。

 

といったことが基本なので、

薬のVd CL 蛋白結合、未変化体尿中排泄のデータを意識して、動態的特性を考える。

 

原則と例外で動態的特性を整理する

コツ 油っぽいか水っぽいか。

油っぽいのは一般に分布が大きい、蛋白結合が強い、尿細管で再吸収されやすい、よって腎排泄され難い。肝代謝が多い。

トリアゾラム 脳で効く、中枢薬 油っぽい薬が多い、肝代謝が多い

例外:ガバペンチン、プレガバリン、GABA受容体へ作用 GABA類

   アマンタジン パーキンソンに効く それなりに脂溶性(分泌による排泄を良く受ける)

 

βラクタム系 極性高い 水溶性 腎排泄ばっかり。

例外セフトリアキソン 胆汁排泄50%

 

薬効で肝腎型の特性を覚える ARB肝 ACE-I腎 Ca拮抗薬 肝 3A4など 

肝腎両方ある薬効を覚える 抗ヒスタミン薬、不整脈薬、β遮断薬 抗菌薬

(全ては原則(一般論)と例外で分けられる。それを分ける方法が理論や学問)