「自分が正しいとは限らない」を忘れないように

ある雑誌に掲載して頂いた記事です。ちょっと恥ずかしい内容ですが、折角なのでご紹介。まあ、本性はこんなの投稿するちっちゃい男で、大した実力も度胸もないひとです。

私は薬剤師になろうと思って薬科大学に進学したわけではなく、研究者でもなれたらかっこいいかなとの気持ちで理系の学部をいくつか受験しました。ちなみに、第一希望は農学部で、補欠合格でしたが入学できませんでした。大学3年生のときの病院実習での最初の配属が調剤室で、正直、自分はこの仕事はやりたくないと思いました。しかし、その後の病棟とDIの実習で、薬剤師が医師や看護師、そして患者から頼りにされているところを見て、「かっこいい」と思ったのを今でもよく覚えています。そして、色々と悩みましたが、最終的に病院薬剤師として働く覚悟を決めました。

大学卒業後、私の場合はとにかく病棟やDIで患者、医師、看護師から頼りにされる、そして研究もできる「かっこいい薬剤師」になりたい、頭も良くないのにそんな下心が強く、ただひたすら自分の美学や哲学が正しいと信じ、がむしゃらに行動してきた気がします。そんな理由と性格なので、他人の意見に耳を傾けず、自分と異なる価値観や考え方は受け入れない心の狭い人だったと思います。上司や環境には恵まれていたおかげで、それなりに成長することができましたが、前述の性格から多くの大事なものも失っていきました。それでも、自分は正しい、間違っていないと決めつけ、自己防御と自己正当化に必死だったと思います。

30歳を過ぎてから結婚し、学位を取らせてもらい、遅すぎますが、友人、先輩、後輩、家族のありがたさがやっと素直にわかるようになってきました(遅すぎますね)。そして、授かった長女が先天性股関節脱臼で、0歳時に2回の手術を経験したことから、医療や社会のありがたさと、またそれらの問題点を実感しました。その頃からでしょうか、過去の自分の考え方や振る舞いを後悔し、反省し、自分を見直して、人と人との繋がりを大切にして、もっと医療や社会のために本質的な仕事をしなくてはと考えるようになったのは。

とはいっても、自分の考え方を見直して、自分を変えることは、本当に難しいと感じています。それでも、これからはもっと相手の立場になって、本当の目的(医療を良くすること)のために、自分が何をしなくてはいけないのか、何できるのか、何を必要とされているのか、見失わないようにしたいと思います。そして、人と人との繋がりを大事にしていきたいと思います。